やりたいことをやるブログ。
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昨日本屋の文庫コーナーをブラブラしていると、本が並んでいる中何故か一つのタイトルに目が留まり、思わず手にとって買ってしまいました。ジャケ買いならぬタイトル買い。(まんまじゃねえか
で、それがオスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」でした。
私は愚かにしてこの本が「サロメ」だとか「幸福の王子」の作者によるものだと知らず、へーこの人男色罪で投獄されたのかー時代を感じるねーとかいうことも知らなかったわけですね。
よくよく考えてみれば今まで日本文学さえまともに読まず、好きな文豪といえば太宰治と芥川龍之介で、さらに好きな文学作品といえば「奉教人の死」位かな、という浅学ぶり。
そこで英米文学なんぞまずどんな作家がいるかさえも知るわけがなく、えー外国文学っていうと「戦争と平和」とか「罪と罰」とか「赤と黒」位しかしらないねえという感じでもうサッパリ。
そんな文学サッパリ野郎で今まで興味も関心も湧かなかったんですが、改めて真剣に目を通して何か新鮮な感じを味わいました。
どうもライトノベルだとかを読み漁って何となく本を読んだ気になってましたが、物に拠りますけど、ライトノベルの大半はエンターテイメントって感じがします。
そこにはお決まりの大衆が好む展開があって、コメディだとかラブだとかアクションだとかに自分は浸り過ぎてたのかなーと思いました。
誰もが好むようなストーリー展開で、何の気兼ねなく手軽に楽しめるというのは魅力的ですが、それ故に読書をして何かを考えさせられるようなことがあまりなかったような気がします。
何らかの教訓めいた話というのはありますが、物語全体でそれをあらわすという感じではなく、あくまでも話の本筋に付随する形での示唆、みたいな。(もうなにがなんだか
えーまー自分の勝手な偏見と思い込みに拠るものなので真面目に反論されたら困りますな。(笑
何かブツブツ書いてますが、要するに読んで色んなことを考えさせられたなーと思いました。
物語の受け止め方は人それぞれなので、他の人がこれを読んでどんなことを考えたのか知りたいですねー。
なるほどなーこれが語りあいたいってヤツか!(違
ヘタするとどっかのサロンだとかになってしまいますね!(もっと違う
えーで、「ドリアン・グレイの肖像」ですが。
もう話はいたってシンプルで、純粋な美青年ドリアンが快楽主義者のヘンリー卿に感化されガンガン堕落していく様をえがいてます。
作者のワイルドが唯美主義で芸術至上主義者であるということで、登場人物達はひたすら美について語り、芸術の本質だとか若いことの美しさだとかを行動の根拠にして、利己主義でエゴティズムな理論を乱発、ヘンリー卿はなんかもう逆説につぐ逆説で訳がわからなくなってきます。(笑
雰囲気はこう~背徳で淫靡な感じ。
最初は純朴だったドリアン(超絶美形)に自分の考え方を植え付け、「観察」と称して快楽に走るドリアンを見つめる(そそのかす?)ヘンリー卿は何かスゴいですよ。
こうね、この美しく純朴な青年を俺色に染めてやるぜ!って感じ。(笑。でも本当だな…
ええ、何だか背徳的な香りがしますねえ。(ニヤ
読んでると、何か神聖なものを汚されてる気分というか…新雪が踏み荒らされてゆく様を見ているようだというか…。
一度知ってしまったら、もう以前の自分には戻れないという切なさ(っあ!これって無常観みたいな?)を味わわせてくれます。(笑
そんでもって自分の確固たる主張を持たずに何となく生きてきた世間でいう善人の、その不安定さというか危うさがなんともいえません。
誰か読まないですか?ドリアン・グレイの肖像。
ってことで何となく文学ブーム到来の予感がするので、以前から気になっていたドストエフスキーの「ロリータ」を次に購入予定。(笑
あんまり文学とはいえませんが、だいぶ昔から気になっていた「ドグラ・マグラ」をいつか読もうかと。
てかまあ「蟹工船」は読まないとなあと思います。そうとうアレらしいし。
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